もう夏も終わるというのにかき氷の話です
かき氷っていつからあるかご存知ですか?
なんと世界的には紀元前からあるんです。まぁ、そら冬に氷が出来る地域であれば作ることは可能でしょうね。でもかき氷は寒い時期に食べても意味が無い。暑い夏に食べたいですよね。ですので冬に出来た氷を貯蔵庫に入れて夏に食べるという事もしてたようです。
紀元前ではアレクサンドロス大王が雪や氷にハチミツや果汁をかけて食したと伝えられています。中世には、アラブ人やペルシャ人やトルコ人が雪や氷を入れた果汁などの冷たい飲み物を飲んでいたとか。
これがイタリアに伝わり雪・氷にフレーバーを加えた冷菓に変化したようです。いわゆるシャーベット、ジェラートの始まりですね。
日本ではどうでしょう。時は平安時代です。清少納言の「枕草子」に出てくる「削り氷(けずりひ)」がかき氷の最初と言われています。
そこには「削り氷に甘葛(あまずら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」という文章があります。意味は「削った氷に甘葛(あまづら)をかけて、真新しい金属製のお椀に入れる」となります。甘葛というのは砂糖のない時代にツタから甘みを取り出したもので、シロップのようなものと思って下さい。だから今でいう「みぞれ」を食べていたんですね。
もちろんこの時代は冷凍庫なんてものはないので、氷室と呼ばれる氷の貯蔵庫を利用して、将軍様や天皇レベルじゃないと中々口にすることは出来ませんでした。
では庶民の口に入るのはいつくらいから始まったのでしょう?
これも想像より古いんです。
因みに日本で電気が使われ始めたのは1882年(明治15年)の事です。
東京・銀座に灯された日本初の電灯には、大勢の民衆が群がりました。発電所が登場し、電灯は東京を中心に急速に普及します。
さらにエレベーターや電車など、電気は動力用としても利用され、次々と発電所が建設されていくのです。
で、それを踏まえて一般大衆向けのかき氷屋さんが出来たのは何と1969年(明治2年)(1862年という説もあり)中川嘉兵衛が横浜の馬車道通りに作りました。江戸から明治に変わってまだ電気も通ってない時代にもう既にかき氷屋さんが出来てたんですね。
もちろんこの頃は天然の氷を貯蔵したものを使用してました。中川は北海道の五稜郭で氷を作り「函館氷」を生産販売しました。その当時の輸入物の「ボストン氷」より品質が高かったようです。
こうして、かき氷というよりは医療用や保存用にも氷は生活に欠かせなくなっり製氷メーカーも増えたのですが、同時に粗悪な氷が増えてきたので食中毒の心配から1878年(明治11年)、内務省は「氷製造人並販売人取締規則」を公布し、氷販売に衛生検査が導入されました。
これにより営業者は、衛生検査に合格した氷の生産地・販売者名を示したのぼりや看板を掲げる事が義務付けられたんですね。この時に配られた旗が現在の氷旗のデザインの元になっているという事です。どこの店にも「氷」って書いた旗ありますよね。それって今でいう保健所の営業許可書みたいなもんやったんですね。なんか面白い。
1883年(明治16年)頃にはアンモニアを使った人工的な氷の製造がはじまり、1897年(明治30年)には機械製氷が主流となります。
またこの頃には氷削機も発明されるのですが、本格的に一般化するのはやはり昭和に入ってからなんですね~
因みに「かき氷」とは「ぶっかき氷」の略語です。エアコンのない時代は特に天国のような気持になったでしょうね。
●松田なんで店をつくったのか? https://w-anan.jp/about/
●お菓子作り紹介(和菓子職人あきらYoutubeチャンネル) https://youtu.be/Ol1nHE2v00E