大阪府生菓子青年クラブ主催で全国和菓子甲子園2010が開催されました。僕はその事業の担当をさせて頂きました。
初めての試みなので不安もありましたが、予想以上に盛り上がり発想やクオリティの高さなど和菓子屋の方が勉強になりました。
高校の部・短大大学の部・専門学校の部と3部門で行い、各部門で金賞・銀賞・銅賞を決定します。審査内容は①製品そのものの評価②作業性・清潔感③プレゼンテーションで作品の説明・思い・アピールなどを発表の3点で判断します。各10点満点で満点30点。審査委員が5人いるので30点×5人で1チーム150点満点で点数の多い順から賞を決めていきます。ちなみに僕も実行委員でありながら審査委員もさせていただきました。
開会式で選手宣誓。元気に出来ました。
製菓学校部門の作業風景。学生といえどもプロに匹敵するほどの熱意で作業を進めています。
こちらは高校生の部・短大大学の部です。和菓子作りが初めてという方が多かったのですが、その発想と一生懸命さはかなり伝わってきました。
プレゼンテーション風景。出場者の皆さんはとても緊張したとおもいます。でも作品の思いが強いせいか本当に思いが伝わってきました。評価は前述の3点で判断します。盛り付け方やお皿のチョイスは今回は点数に入りません。作業時間延長も減点になります。
作品のテーマは来年の干支である「うさぎ」です。
高校の部
金賞 「親子うさぎ」 東住吉高校
作業時間オーバーし減点されたのですが、僅差で金賞獲得。親子で中のあんこが違います。そのバランスの良さと技術力が評価されました。
銀賞 「美月」 関西大学第一高等学校
外観では分からないのですが、お菓子をカットすると満月が現れます。お茶菓子の表現にもつながるアイデアはポイントが高かったです。
銅賞 「うはぎ」 関西大学第一高等学校
おそらくネーミングセンスとインパクトでは1番評価が高かったと思います。うさぎのおはぎで「うはぎ」です。美味しかったのですが本当にあと一歩僅差での銅賞となりました。
短大・大学の部
金賞 「at Home」 東大阪大学
プロでも難易度の高いアメと薯蕷饅頭を使用し、家族の大切さを表現しました。
銀賞 「婚活うさぎ」 大阪青山大学
金太郎飴方式で外郎生地をうさぎで表現しました。カップル成立のときは写真のように配置、不成立の時はお尻通しを向けて「オシリ合いからはじめましょう」という使い方をするそうです。そのアイデアに脱帽です。
銅賞 「うさぎサークル」 甲子園短期大学
寒天の流し物は非常に難しいのですが苦戦しながらも完成。サークル状になったお菓子を写真のようにカットします。中のうさぎが可愛らしさを演出しています。
専門学校の部 (製菓学校の部は金賞1名銀賞1名銅賞4名となります)
金賞 「秋百夜」 日本菓子専門学校 木谷直子さん 大塚有莉さん
しぐれを使った作品の完成度の高さ、味、プレゼンどれもハイレベルなものでした。淡雪の雲の表現も見事です。
銀賞 「雪うさぎ」 日本菓子専門学校 吉岡 舞さん 細川 翔さん
唯一焼き物で勝負。完成後直ぐに試食するハンデ、オーブンの使い勝手のハンデを乗り越え堂々の銀賞です。本当に美味しかった。耳の表現のセンスはかなりの評価でした。
銅賞 「雪はら」 辻製菓専門学校 市川絵美さん 小竹七瀬さん
ヨーグルトを使った淡雪羹は以外にも程よい酸味で完成度を高めていました。中の求肥も食感の違いを楽しめました。
銅賞 「まんぷくうさぎ」 辻製菓専門学校 小山純子さん 西村英里さん
外郎のたたみものですが、自分で作成した道具で均一に厚み大きさをそろえて作業性を大幅アップして作りました。人参あんも癖なく食べられました。
銅賞 「ふわうさぎ」 日本菓子専門学校 大沢孝徳さん 佐藤幸花さん
写真では薯蕷饅頭に見えますが、白い黄味を使った浮島をコーティングして蒸すというアイデアは良かったです。味も美味しくデザインもシンプルでいて可愛らしい。さすがに製菓学校の生徒です。
銅賞 「満月を待って」 辻学園調理・製菓専門学校 中西純子さん 長崎充樹さん
専門は調理ながら口どけのいい水羊羹を作るなど頑張りました。味の違いを楽しんでもらうために抹茶も美味く活用し、流し合わせの難しさもクリア。うさぎの型も自分たちで作成するなどクオリティを高くすることが出来ました。
それぞれの受賞風景です。コンクールなので順位をつけねばならず、又皆本気で勝とうと思いぶつかってきますのでそれにも答えねばなりません。僕自身がコンクールに出るときは自分のことだけを考えているので、しんどいんですけど、楽な面もあります。でも逆の立場になるとみんなこんなに頑張ってるのに皆勝たせたいって思ってしまうんですねー。でもそこは勝負。真剣に審査しないと出場者に失礼です。
色んな思いがありましたが、最後はみんな笑顔で記念写真。
和菓子のコンクールは工芸菓子や上生菓子など作品のデザイン・センスを問われるコンクールがほとんどです。そんな中美味しいお菓子を競うコンクールを開催出来、担当もさせて頂き本当に嬉しかったです。
新聞社も3社取材に来られありがとうございました。
最後になりましたが、参加者の皆様はじめサポートして下さった先生方、会場提供してくださった辻製菓専門学校様、審査担当の方々、スタッフとして協力していただけた大阪府生菓子青年クラブの会員の皆様、その他関係者の皆様本当にありがとうございました。
辻製菓専門学校│パティシエ等が目指せる大阪の製菓専門学校 (tsuji.ac.jp)
●松田なんで店をつくったのか? https://w-anan.jp/about/