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三色団子のひみつ

あん庵の三色団子の正式名称は「桃太郎の三色団子」

なんで桃太郎?っていうのは最後に発表します(気になる方は最終章へGO!)

 

***三色団子の特徴***

ウチの三色団子はピンクと白と緑の3色なんですね。だから三色団子なんですけど、一般的には花見のシーズンでは花見団子と言ったりしますね。

たかが団子されど団子。お店によって使う米粉(お米)も違えば砂糖も違う、もちろん作り方も違うので各お店で色々楽しめると思います。

とかく三色団子は食紅で色分けをして、味は3つとも同じという三色団子も多いのですが、ウチの三色団子はそれぞれに味をつけています。

ピンクのお団子は「桜」の味。桜餅に使う桜の葉の塩漬けを細かくみじん切りみじん切りをしてお団子にねりこんでいます。

白のお団子にはゆずを練り込んでさわやかな味に仕上げています。

緑のお団子には蓬をねりこんでいます。

 

***色と季節の関係***

三色のお団子なのでやっぱり味も3つあった方が楽しめますよね。

所説あるにせよ、あん庵の三色だんごは、ピンクは桜なので「春」をイメージしています。

白色は柚子の味なので、これは「冬」をイメージしています。

緑はよもぎ。蓬は初夏のイメージを持っていますですので「夏」をイメージして作っています。

 

とすると、何かが足りませんよね? そうです、「秋」が足りません。秋がないのです。だって三色だんごだから三つしかないのに季節は四つですから一つ足りなくて当然です。

 

「秋」がないなんて少し寂しい気がします。でもこれにも実は意味があります。「秋がない」→「秋ない」→「飽きない」→「飽きないお団子」→「おいしくて飽きない三色だんご」というわけです。おあとがよろしいようで。(言い回しが結構古い…)

 

なんにせよ春はポカポカと心もウキウキしてきます。お花見のお供に三色だんごを食べれるって実は幸せ。当たり前のようで意識しないんですけどこれってすごく幸せな事なんですね。

平和が一番。

 

***なぜ桃太郎***

最後になりましたがなぜ「桃太郎の三色団子」という名前なのか?

三色団子は創業以来作り続けているお菓子なのですが、実はその創業初年度にテレビ東京の番組で和菓子を競う大会にでたのです。その時に運よく決勝まで残りまして、決勝のお菓子を作るときにこの三色団子をチョイスしました。

 

工芸菓子と呼ばれる、見て楽しむ和菓子に加えて食べて美味しい和菓子をその工芸菓子に組み込むという、そういう勝負だったのですがテーマが決まっていました。そのテーマが昔話/おとぎ話でした。そこで僕はそのテーマのなかから「桃太郎」を選びました。

 

桃太郎が鬼ヶ島へ行く途中に犬や猿やキジと出会うのですが、出会いながらきびだんごを渡すのではなく、その途中途中で素材を手に入れ共にお団子を作っていくというストーリーです。鬼ヶ島に着く頃には三色団子が完成し、鬼を力でねじ伏せて降参させるのではなく、おいしい三色だんごを食べさせて「参った」と言わせるストーリーにしました。

 

結果はと言いますと三色団子はこの番組「TVチャンピオン」の優勝作品になり、桃太郎を題材にした作品に使ったので「桃太郎の三色団子」と命名しました。

僕にとってはかけがえのない和菓子になりました。

***三色団子の帯の挿絵のパワー***

 

御木幽石(みきゆうせき)墨彩画家・書家・和体書デザイナー

 

初めて御木さんのお地蔵さんの絵を見たのは正確には覚えていないのですが、25年位前だったでしょうか?本当に可愛らしくてほのぼのとした作風は瞬時に目に焼き付いてしまいました。何点か作品を買ったりしてたのですが、この三色団子を販売するにあたって包材を何かオリジナルのデザインで作りたいと思っていたのですが、この御木幽石さんに絵を描いて頂けないかなぁと思っていました。

でも知り合いでも何でもないし、どこに問い合わせたらいいのかも分かりません。今みたいにNETで気軽に調べられる環境でもなかったし、事務所にたどり着けたとしてもとても手が出るような価格ではないだろうと半分諦めてたんです。

でも人間の「念」ってありますよね。御木さんに強く会いたいと願ってたらなんと知り合いを通じて会うことが出来ました。(因みに僕には大ファンの女優さんがいるのですが、一度会ってみたいと思ってたら偶然会えましたし。感銘を受けた本の著者の方にも一度お会いしたいと願っていたら会うことが出来ました。不思議ですね…)

それでビジネスとして依頼したわけなのですが、なんとも良心的な感じで引き受けて頂けたのです。その後も個展にお邪魔したりしてその場でプライベート用にもオリジナルの絵を描いて頂いたりして、額に入れて飾っています。

話が長くなりましたがそんな願いのこもった挿絵なんです。

 

あれから20年。今でもお客様に美味しいと言っていただけるのはありがたいですね。感謝。


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