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こし餡の作り方(製餡)その1 豆の話

こし餡ってなんでしょう?こしあんの「こし」って「漉す」って意味で言葉通り「漉したあんこ」という事になります。え?当たり前だって?そうですね。。

では何をどう漉したのか?ってなると作った事のない人からすると答えられないかも知れませんね。

まず「豆」です。和菓子に使われる代表的な豆と言えば「小豆」をイメージするのではないでしょうか?その通りです。小豆と和菓子は切っても切れない仲ですね。

因みにこれ何て読んでますか?多くの人は「あずき」って読みますよね。でも和菓子職人では「あずき」って言いません。いや、言わないことも無いのですが、普通は「しょうず」って言います。あの大豆(だいず)に対しての「しょうず」です。あまりにも当たり前に「しょうず」って言ってるので、うっかり普通のひとに「しょうずが何たらかんたら」って話し始めて「しょうずって何ですか?」って質問されたことがあります。

名字に小豆さんっていう方がいて、初対面であった時に「しょうずさんってお読みしたらいいんですよね?」って確認したら、初見では中々読んでくれないので驚いたみたいな事も言われました。

なるほど「小豆島」は「しょうどしま」って読むし、案外難しいんだなって思います。

 

小豆によく似た豆で「大納言」や「ささげ」という豆もあります。「大納言」は基本は小豆と言って問題ないと思いますが、小豆と比べて大粒で煮崩れがしにくくて、小豆とはまた違った風味を持つ豆です。北海道や丹波、備中が有名です。

北海道ものは「アカネダイナゴン」や「とよみ大納言」などがあります。丹波のものとも違い、丹波産はより皮が薄く保存も気を使います。個人的には丹波の風味の方が好きですね。

その皮の特徴から大納言は粒あんにする方がポテンシャルを発揮できると思います。こしあんにしてる店もあるかもしれませんが、もったいない気もしますね。

大納言のように大粒に見えても大納言ではなく大粒小豆と言われる小豆もあります。実は僕は小豆の風味が好きなので大粒小豆が好きだったりしますが最近は大粒モノが減る傾向にあって残念な限りです。

もう一つ小豆とよく似た豆で「ささげ」があります。

実は小豆の特徴の一つに煮てる最中に皮が割れるという現象があります。その割れ方も特徴的で豆の長い方ではなく短い方の円周の部分、要するに腹の部分が横割れするんですね。だから炊き方も非常に重要なのですが、横割れを完全に防ぐことは出来ないし、かのこ豆(蜜漬け豆)を作る時なんかはほんの少し割れないと蜜漬けしずらいという面もあります。

ところがこれを赤飯に使う時、本来おめでたい席に使うはずの赤飯の豆が腹割れしていると大変縁起が悪いという事になりまして、そこで「ささげ」が登場します。ささげは腹割れしないので赤飯にはぴったりだということで良く使われます。

面白い事に関西ではあまりそんなことは気にしないので普通に小豆を使うのです。気にするのは江戸です。そう、江戸は武家文化がありますので腹割れは「切腹」をイメージし、小豆ではやはりダメなのです。大阪は?

大阪は町人文化なので関係ないんです。正直ささげより小豆の方が味は良いので美味しい方がええやん!って感じでしょうか。令和になった今でも続く文化の違いです。

横道にそれまくってますが話をあんこに戻します。。
でも長くなったので、続きはまた明日ということで~


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