蚕って人間の手を借りないと死んでしまう生物ってご存知でしたか?おぼろげな記憶によると、完全な家畜で人の世話が無いと生きていけない唯一の動物だったような。
幼虫は桑の葉を食べまゆを作りそのまゆが「絹」へとなります。繁殖用の蚕はまゆを作った後さなぎになり成虫になります。成虫はすぐに交尾し卵を産みます。成虫は羽があるのに飛ぶことは出来ません。そして食べることもせず(出来ず?)1週間ほどで死にます。
製糸工場と言えば大竹しのぶさん主演、森次 晃嗣さん(ウルトラセブンのモロボシダンの人)も出演してた「あゝ野麦峠」が思い出されます。なぜ「野麦峠」と言われるようになったのかも描写されていて子どもながらに「えげつな~」と思った記憶があります。小説(ノンフィクション文学ですが)も読みましたね。
その絹なのですが現在では国内シェアも0.2%ほどだそうで、労働ももちろん明治時代のような事はありません。着物では「正絹(しょうけん)」で作ったりしますので非常に高価になります。
和菓子の世界でも絹は使います。例えば上生菓子の「茶巾絞り」を作る時、「綿」や「さらし」で絞るのと「絹」で絞るのとではお菓子の出来上がりのフォルムが全く違うものになります。きめ細かいラインを出す場合はやはり絹が一番ですね。
●松田なんで店をつくったのか? https://w-anan.jp/about/
●お菓子作り紹介(和菓子職人あきらYoutubeチャンネル) https://youtu.be/Ol1nHE2v00E
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七十二候という季節があります。恐らく今この暦を使ってるのは世界で日本だけだと思います。元々中国から入っては来てるのですが、中国の暦と日本の暦は当然気候や風土の違いがあるので、気象も動物の動きも当然違います。そこで江戸時代初期に「本朝七十二候」と呼ばれる日本独自の七十二候が誕生しました。四季が明確にあるだけでも珍しいのに、それをさらに24もの季節に分けた皆様ご存知の「二十四節気」という季節があります。いわゆる「立春」とか「夏至」とか「大寒」とかですね。その24の季節を更に各3つの季節に分けたものが「七十二候」と呼ばれる季節です。おおよそ5日ほどで変わっていく季節。そんなに変化ある?って思う方もおられると思いますが、それが変わっていくんですね。季節の名前を聞くと「なるほど!」ってうなづける事も多いです。日本の素晴らしい環境とそれを感じとる感性豊かな日本人。日本に生まれてきて良かったと感じる瞬間です。 参考文献日本の七十二候を楽しむ~旧暦のある暮らし~
白井明大(株KADOKAWA)
季節七十二で候。大田垣晴子(株KADOKAWA)
くらしのこよみ
うつくしいくらしかた研究所
くらしを楽しむ七十二候
広田千悦子(泰文堂)
にっぽんの七十二候
角謙二(株式会社枻出版社)
絵で楽しむ二十四節気と七十二候
水野久美(株KADOKAWA)——————————————————————————————————