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【七十二候・第十四候】鴻鴈北(こうがんかえる)

月に雁というくらい月の綺麗な秋には雁が渡ってきて、春には北に帰っていきます。その頃の和菓子も雁をモチーフにしたものが増えます。

ツバメは春に日本に来るので、来る者もいれば去る者もいる。不思議ですね。

なんでわざわざ寒い冬にやってくるんでしょう?どうせならツバメの様に夏に来ればいいのに!って思った事ありません?

 

いやいや、雁はベース地がシベリアだったりするんですね。そしてシベリアの冬は想像を絶するくらい寒い。その極寒の地からすると日本の冬なんて相当暖かいしエサもあるんですよね。

要するにシベリアの冬を避けて暖かい日本に避難して、シベリアが暖かくなるころにはスプリング エフェメラルが爆発的に増えるので帰っていくという訳です。緯度が高いと日照時間も長いのでそれも関係するかも知れませんね。

雁にしたら日本ではなくてシベリアの方が家ですが、何か勝手に雁って日本的な鳥ってイメージ持ってます。花札にものってるから?「大蔵じいさんとガン」という教科書に載ってるお話しも覚えている人も多いと思います。この話も何かやっぱり日本的なんですよね

大造じいさんとガン – どんぴんからりん (goo.ne.jp)

 

雁の特徴でV字配列?編隊?に飛ぶというのがあります。その姿は美しいです。因みにこのV字型、先頭の雁が翼を動かすことによって2列目以降の着いてくる雁のゾーンに上昇気流が生まれます。そうすることで楽に飛ぶことが出来、編隊を組むと1羽で飛ぶより7割も遠くまで飛ぶことが出来る。言い換えれば同じ距離でも体力を温存して飛ぶことが出来るという事ですよね。めっちゃ賢い。

誰ですか?そしたら先頭は損するからいやだって言ったのは。


そらそうですよね。2列目以降なら楽に飛べるんやから先頭にはなりたくないですよね。だから後ろの雁は「ガーガー」言うて先頭を励ますんです(笑)

 

安心してください。先頭が疲れたら後ろに回って交代するんです。ほんで「ガーガー」言うて励ます側に回ります。なんちゅうチームワークでしょうか。賢すぎる。

 

それでも雁ってどんな鳥?って言われてすぐに答えられる人は少ないと思います。

雁の定義は「白鳥より小さい大型のカモ類」です。同じかもでもカルガモとは大違いですね。唯一渡らないカモのカルガモ(留鳥)。でもお引越しは大好きで、道路を渡るだけでマスコミは出動するわ、車を通行止めにするわ、その日のニュースはカルガモ一色みたいな。少々過保護な、でも愛され度100%のカルガモ。

 

そんなカルガモをしり目にストイックにV字配列で飛ぶ雁。人間の大騒ぎを見て「やれやれ」って思ってるカモ!知れませんね。

 

 

●松田なんで店をつくったのか? https://w-anan.jp/about/

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七十二候という季節があります。恐らく世界で日本だけだと思います。四季が明確にあるだけでも珍しいのに、それをさらに24もの季節に分けた皆様ご存知の「二十四節気」という季節があります。いわゆる「立春」とか「夏至」とか「大寒」とかですね。その24の季節を更に各3つの季節に分けたものが「七十二候」と呼ばれる季節です。

おおよそ5日ほどで変わっていく季節。そんなに変化ある?って思う方もおられると思いますが、季節の名前を聞くと「なるほど!」ってうなづける事も多いです。日本の素晴らしい環境とそれを感じとる感性豊かな日本人。日本に生まれてきて良かったと感じる瞬間です。

(元々この暦も中国から入って来たとされてますが、現代に残ってる暦は日本に合わせて日本独自にブラッシュアップされたものと言えます)

参考文献
日本の七十二候を楽しむ~旧暦のある暮らし~
白井明大(株KADOKAWA
季節七十二で候。
大田垣晴子(株KADOKAWA
くらしのこよみ
うつくしいくらしかた研究所
くらしを楽しむ七十二候
広田千悦子(泰文堂)
にっぽんの七十二候
角謙二(株式会社枻出版社)
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