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さくら餅 その③ 道明寺 糒

道明寺と言うと、実はうちの地元なんです。

藤井寺市道明寺と言う場所がありまして、そこには道明寺天満宮と言う神社と道明寺と言うお寺があります。 ほんとどうでもいい話なんですが、僕が生まれて宮参りに行った時は、この道明寺天満宮に行きました。

道明寺天満宮 (domyojitenmangu.com)

そして道明寺というのは・・・

道明寺は7世紀中葉に土師氏の氏寺として建立された土師寺を起源とした尼寺です。土師氏の後裔である菅原道真公が、太宰府下向に際して伯母の覚寿尼を訪れたゆかりの地です。 建立当初は現在の道明寺天満宮の南側参道付近に位置し、現在も塔心礎が残っています。 その後、戦国時代の戦火や江戸時代の石川の洪水による荒廃が原因で道明寺天満宮の境内地に移り、さらに明治時代の神仏分離令に よって現在地に移されました。 国宝である本尊の十一面観音立像は毎月18日と25日に拝観することができます。関西風桜餅(道明寺餅)など和菓子の材料として知られる「道明寺糒」「道明寺粉」発祥の寺としても有名です。(藤井寺市観光協会HPより)

蓮土山 道明寺 | Domyoji Temple

 

あなたは、糒(ほしいい/ほしい/ほしいひ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?学校の授業を真面目に聞いていた方は、きっと記憶の片隅にあることだと思いますそうです。古典の授業で出てきた糒、すなわち今で言うところのインスタントラーメンのお米バージョンといったところでしょうか。

昔は旅に出るときに当然歩いて何百キロと進むのですが、やっぱり途中お店とかない分ところも多いですよね。そんな時にお腹が減ったら何か食べたいんだけど、コンビニもないしポテチもチョコレートもないしと言うことで、腐らない干した米を持ち歩いてたんですね。

もちろん昔の人とはいえど、生米を生そのまま食べることができないので、いちど炊き上げた米を干すんですね。そうすると水で戻したときにちゃんと食べれるご飯になる。専門的に言うとでんぷんのアルファ化(糊化)の状態ですね。人間というのは、でんぷんは基本生では食べることが出来ません。米にしろ小麦にしろ芋にしろ、(芋でも山芋は生で食べられます。又その話は別のところで・・・)でんぷんをアルファ化させるためには熱と水分が必要なのです。しかしその食べられるようになったでんぷんも時間が経てばベータ化(老化)し、食べられなくなってしまいます。炊き立てのご飯が次の日はパサパサでまずくなるのはこの為です。

ちなみに老化速度は0℃付近が一番早いので、ご飯の残りは冷蔵庫に入れた方が早く老化してしまいます。冷凍の方が保存状態は良くなるわけです。

まとめると、でんぷんは「生のでんぷん」と加水加熱して出来た「アルファ化(糊化)でんぷん」、そして時間が経って食べられなくなった「ベータ化(老化)でんぷん」があります。

当たり前のようにでんぷん(炭水化物)を毎日食べてる我々ですが、人類が火を使えるようになってなかったら・・・ご飯もうどんもパンも食べることは出来なかったのです。炭水化物なかったら飢えてたでしょうし。火を使えたって実はミラクルなのです。

それで「アルファ化でんぷん」を持ち歩くとどうしても「ベータ化」して食べられなくなる。ですので「アルファ化でんぷん」から急激に水分を取ってしまって「アルファ化」のまま固定させるんです。そうすることによって食品がアルファ化の状態のままさらに腐らずに、食べたい時に水分を戻すことによって食べることが出来るインスタント食品が出来上がるのです。

インスタントラーメンの製法が麺を油で揚げたり、フリーズドライでするのもこの理論を使ってる訳です。その理論を知っていたのか知らなかったのか、何百年も前のご先祖様は経験として知っていて、「インスタントご飯」すなわち「糒」を食べていたのです。

 

・・・・話が長くなりましたが、その糒が道明寺が発祥の地だということなんです。 それは道明寺粉と呼ばれ、もっと細かく言うと二つ割三ツ割四つ割り五つ割とか細かさによって分類されます。

その道明寺粉に水分とお砂糖を加えて、あんこを包み、塩漬けの桜葉でまいたものが今ある道明寺桜餅となります。

でもあん庵の桜餅は実はこの道明寺粉を使ってません・・・。

実はもち米から直接作る製法で勝手に生道明寺と呼んでいます。道明寺湖は干す段階で干した匂いというのが付きます。それが大好きな人も沢山おられます。ただクセがあるのも事実で、もち米から作る製法の1番のメリットは、こうした匂いがなくもち米本来の旨味が出ることです。もちろん道明寺粉を使った桜餅もおいしいのですし、しっかりとした歯ごたえがあります。それに対して生道明寺はもっちり柔らかく仕上がるのです。もうこうなると好みですけどね。

さらに10年ほど前までは第3の桜餅として求肥を使ってた新しいものを作ってました。ブランデー漬けのチェリーを使いそれをすだちで味を整えます。それを中に忍ばせたさくらさくらと言うお菓子で、昔テレビチャンピオンと言うテレビ番組の勝負に使いました。しばらく売ってたんですけど、もう種類が増えすぎてやめちゃいました。残念また機会があれば作りたいですね。

苺を包んだ桜餅もしましたね~
三色団子の1番目の味も桜だし。
桜大好き日本人(^^

 

 

 

 


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