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こし餡の作り方(製餡)その5 どんどんマニアックになっていく

メッシュを通り抜けた「ゴ」は風呂桶のような大きな容器に水と一緒に貯められていきます。当然粒子は水よりも比重が重いので「ゴ」は沈殿していきます。そうすると「ゴ」は下に、水が上にある状態になります。いわゆる水で晒した状態になるので、その上澄みを捨てるのです。

そして又水を加えてかき混ぜながら「ゴ」の温度を下げていくのと同時に小豆の持つ余分なえぐみとか渋みも取り除いていきます。この晒しを何回するかはこれまた豆によったり店によったり様々で正解はありません。僕の調べた限りでは2回~3回するところが多いのではないでしょうか?一番多かったのは5回という店があったのですが、どういう意図があるのかは分かりませんが、小豆の風味もかなり抜けてしまうような気もします。

晒すときの水の温度も大事です。夏場と冬場では気温も水温もまるで違います。水温は低く「ゴ」の温度を出来るだけ早く下げる方が色的にもいいとされています。京都で井戸水を使う方がいい餡が炊けるという話も聞いたことがある一方、早く冷ますことには何の意味もない。どうせ後で餡を砂糖と炊いていくのだから「ゴ」の温度を下げる意味が無い。とおっしゃるお店もあります。さあ、あん庵はどっちでしょうか?

とにかくその沈殿した「ゴ」だけを取り出し、脱水していきます。脱水は大きくは圧力をかけて絞る方法と遠心分離器にかけて水を飛ばしてしまう方法があります。どうせ後で水と合わして炊いていくのですから絞らなくていいような気もしますが、計量もしづらいので絞ります。これが「生餡」と呼ばれるものになります。

ところでこの「生餡」の賞味期限って分かります?何も味のついていない豆の中の粒子を脱水したものです。これ十分に冷やしたものだと1日持ってくれますが(それでも一刻も早く加工するのがベター)お風呂位の温度に絞ったものを夏の暑い時に置いておくとほんの1-2時間で腐ります。豆の腐った匂いってとんでもなく臭いので一部でも腐ってしまった生餡が混入すると、もうまともな餡にはなりません。(もちろん食品衛生の観点からしてもアウトですが)まぁそれくらいマッハ(死語…)で餡を炊いていかなければならないのです。

こし餡の作り方5回目のブログですがまだあんこを炊くところまでたどり着かない・・・・。

続く。


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