こし餡の作り方(製餡)その3

さて、こしあんの作り方なんですが、簡単に言うと「豆を煮て皮をむいて豆の中身と砂糖を合わせて炊く」以上。非常に簡単な工程です。ところが単純だからこそ最高に難しいのです。

小豆のこしあんで話を進めて行きます。

豆は出来るだけ選別して欠点豆は取り除きます。きれいに選別したものを仕入れるのでそれほど多くは無いのですが、それでも多少は未熟豆や欠損したものがあったりするので取り除きます。
豆は奇麗に洗います。ウチでは結構何回も洗ったり専用の豆洗い機にかけたりもします。そして炊き始めます。一晩水につけて吸水させてからするお店もありますがウチは即炊き方式でしています。吸水させてもいいのですが小豆の給水は結構時間がかかり特に冬など一晩では戻りません。中途半端に吸水させると煮えムラにも繋がるので即炊きでしています。あと後で説明しますが、渋切りがしやすかったり、「ゴ」が出にくかったりもあります。

粒あんじゃないのだから煮えムラがあったり、皮が破けてもいいんじゃないか?って思われる方もいるかもしれませんがそうではないんですよね。煮ればいいのではなくふっくらと美味しく炊き上げてから皮を取る事で豆の風味が洗練されるように思います。ぐちゃぐちゃに煮るとなんていうか重たい感じの餡になります。

水が沸騰すると通常はびっくり水を差します。これは小豆っていきなり加熱しても中々吸水しにくい性質を持っているので温度をいったん下げます。下げることで小豆の吸水が促され煮えムラなく炊けていきます。ですのでこのびっくり水は少し沸騰を和らげる程度では効果がありません。しっかりと加水し湯の温度を下げてあげることが大事です。

因みにウチは温度管理をデータ化し、毎分〇〇度の上昇で水温を管理しています。豆は1年に1回しか採れないので新物が出た時とそれが1年経過した時(ヒネ)では豆の持つ水分量も変わり煮え方が違います。もちろん豆の種類によっても違いますし、同じ豆でも産地や年度によっても違うので、上昇温度をそれに合わせて炊いていく訳です。ですのでびっくり水をしろと言う割にはウチではこの温度管理で十分に吸水させているのでしてないのです(笑)

さらに続く・・・

 


コメントを書く

この記事について何か感じたことがございましたら、
ぜひお気軽にコメント下さい。

匿名でもコメントできます。