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こし餡の作り方(製餡)その6

さてさて、生餡が出来るとようやくあんこを炊く工程に入ります。生餡が出来るまでの工程ってホント大変です。今は機械を使ったりするのでまだましですが、江戸時代なんてほとんど手作業でしてたと思うと気が遠くなります。

あんこの炊き方は本当に様々でこれも又正解は無いのですが、乱暴に言うと水と火に尽きると思います。最初に水と少しの生餡と少しの砂糖を入れてから砂糖を全部入れ、溶けたところに生餡を全て入れて炊き上げる。

こう教わったりもしたのですが、これを読んだ和菓子職人は「違うやろ!」って突っ込む人もいると思います。「いや、その通りやん」って思う人もいるしね。

ウチは現在実はこの炊き方ではないのですが、細かいところはヒミツですが言えるのは大量の水と強い火力です。あんこは炊くのに時間がかかるとでんぷん質が粘りを持ってしまします。水を大量に入れないとあんこの粒子に糖分が浸透しずらいのですが、大量に入れると炊き時間が長くなり、粘ります。そこで強い火力が必要になってきます。

十分に火が通らないと日持ちも悪いですし食感も悪くなります。入れすぎると変色しますし火が入りすぎたあんこも美味しくありません。粘度によって最適な火加減を調整しながら「混ぜずに」混ぜます。

「混ぜずに」の意味が分からないと思いますが、つまりあまりあんこを必要以上に混ぜると致命的な弊害がでてきます。かといって混ぜないと焦げます。焦げた餡は食べられません。さあどうする!

行程的にはシンプルなのに難しいと言われる理由はここにあります。

そして職人の天敵は火傷です。一番危険な状態のあんこが腕とかに飛んできた時の熱さは本当に沸騰したお湯がぬるく感じる位熱いです。オーブンで火傷をしても乾燥してるので耐えれます。

でもあんこの粘度と水分量はハンパないです。熱いです。防御しても隙間を狙ってヤツらは襲いかかって来るのです!

不思議な事にあんこを炊くのも熟練の域に達してくると、いつどこに飛んでくるのか予測できるようになり、火傷の数が極端に減ります。そう、あんこと会話が出来るようになるのです。

あと少しだけ続く・・・


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